■千春のお話

Part171 大護と泣いた日

先日、サマークロスの大会があった日の夜のこと。
なんとなく、旦那さんとお弁当の話しになって。
小さい頃のことを思い出しました。
前にお話にも書いたように、私の両親はずっと共働きで、よくお弁当がいる日に、お弁当を作ってもらえなかったことがあったのです。
だから、ちゃんとお弁当を持たせてもらっている、うちの子供達は幸せだと、話していました。
そこへ、お風呂から上がってきた大護が、
「何の話し?」
と、輪に入ってきたことから、私がもう一度子供の頃の話しをしたのです。

そうすると、何故か小さい頃の想い出が手にとるように甦って、私の目に涙が浮かんできてしまいました。
学校へ行ったら、遠足の日で、お弁当なしで出発して、クリームパンを先生がくれたけど、手作りのお弁当持ちのお友達の輪にはまさか入って食べることが出来ず、先生の輪で泣きながらクリームパンを食べたこと。
しょっちゅう、家の鍵を忘れて、兄も忘れて、夜の9時くらいまで、玄関の前で立っているようなことがよくあったこと、など。

そしてついでに、
大護はそんな状況にはならないお家に産まれて来れたけど、だからといって、何でもお父さんお母さんがやってくれると思ってはいけない。
出来ることはお手伝いして、自立する気持ちをいつも持っていないと、何も出来ない人になっちゃう。
ずっと、お父さんとお母さんが大護のそばにいるわけではないのだから。

そう言ったとき、大護は泣いていました。
私が泣いてしまったからかもしれません。
よくわからなくなり、ふたりでしくしく泣いてしまいました。

さぁ、遅くなっちゃったね、って言うと、大護はさっと自分お部屋へ行き、お布団の準備をしていました。
それから何も言われなくても、歯磨きして、おトイレ行って、パジャマに着替えました。
へぇ〜!

ちょっと心に響いてくれたようです。
私も、〜〜しなさい、ってなるべく言わないように。
そして、自分でやるぞ!が長続きしますように。
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