■千春のお話

Part212 よっち

5月にバレーボール全日本の北京五輪がかかった大会があるということで、観戦に行きたいと思った。
ウェブで調べてみると、ドコモの携帯のiモードのみで、先行販売をするとのこと。
うちにはドコモの携帯はあるが、iモードは契約していない。
娘達の携帯はソフトバンク。

さてどうしたらいいやらと、スタッフの弥一のドコモから調べてもらうと、バレーボールモバイルというのに入会しなければならず、入会してチケット入手が可能になるとのこと。
弥一に入会してもらうわけにいかず、まずは断念。

そこで、よっちがうかんできた。
彼女は高校のバレー部の友人。
電話してみた。
話すのは、高校を卒業してから以来、多分25年ぶりくらいになるだろう。

電話の声は高校の時のままだった。
ドキドキしたのも一瞬で終わった(笑)。
ドコモを持っているか尋ねて、訳を話したら、やってみると言ってくれた。
入会にお金がかかるときは、払うからね、と言ったけど、え−別にいらないよ、って。
よっち、入会金が2万もしたら困るでしょ?って言うと、そんなにするわけないよって。

高校を卒業してから、年賀状だけのつきあいになっていたけれど、電話を切って思い出すのは、やはり部活のことだった。
一緒にどろんこでやってきたから(うちの高校は毎日体育館がとれなくて、外のコートで練習する日があったので)、友人は越えて、もっともっと深い絆で結ばれている。
よっちに頼んだら、やってくれるかも?って思ったのはやっぱり間違いがなかった。

25年ぶりのあつかましいお願いも快く引き受けてくれ、あぁ、バレー部の時もそうだったなぁと甦る。
やんちゃで不良の私をいつでも正当なラインへ戻してくれたのが、よっちをはじめ、やっこと、フジだった。
私以外の3人はとても真面目な生徒で、勉強もよくできたのだ。
私だけが、ちゃんとしていなかった。

17才までの人間関係で、自身の人格は決まるそうだ。
私にはいい仲間がいたお陰で、横道に逸れながらも、お陰で普通の女性として人生を歩めていると思っている。

私もよっちに何かあったら、きっといつでも協力したいなと思う。
あと、バレーボールモバイルの入会金とチケット代はちゃんと払おうと思う(笑)。
希望が叶えば、一緒に日韓戦を応援に行けたら最高!
そろそろ、やんちゃの恩返しもしたいなと、節に思うこの頃なのである。
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